美美歯科 | インプラント 矯正歯科 ブライダルエステ

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院長のつぶやき

 これまで多くの方々に支えていただきましたおかげで、香川県高松市に開業し、約20年が経ちました。開業当初はより多くの方に認知とていただき、治療を受けていただくためにドクターと衛生士・アシスタントを合わせて十数人の体制で対応して参りました。 結果、多くの方々に来院していただくことができましたことに大変感謝しております。

 まず、このホームページは集客を目的とする広告ではありません。 当院の取り組みと基本理念をご理解いただけるものになればと考えています。
当院では、保険診療、自由診療問わず丁寧な処置をするという理念のもとで患者様に対応することを続けましたところ、予約の間隔が長くなったり、予約が取りづらくなってしまうというデメリットが生じてしまいました。

 日本では、健康の基礎である歯科治療や予防の必要性に対する認識不足のためか痛くなってから治療するという対処的治療が浸透してしまいました。健康を支える上での歯科に対する意識の低さ、認識不足は、我々歯科医療従事者にも問題があります。治療の主軸は保険診療です。上手に保険制度を利用し、出来る範囲で予防に努めている方も沢山いらっしゃいます。一方で、痛みが治ると未来院となったり、一度間が開くと未来院にたってしまう方も多くいるのも現状です。その場合結局最終的に治療期間や費用が掛かってしまいます。当院としましてはできる限りの努力はしましたものの、保険診療のみでは、正しく丁寧な予防的治療及び安定的治療を行うにはどうしても時間が必要と考え治療時間を確保して(目安として1回の診療で60~90分)限界を感じております。現状この体制ですと、1日数人の治療しか行うことは出来ません。保険で最高の治療をしてと言われることがありますがそれは難しいのが現状です。

 日本の保険制度は誰もが最低限の治療を受けることができる素晴らしい仕組みだと思います。ただ一方では患者さんの保険診療に対する期待値も必然的に上がっているのも実状です。一般的には知られていませんが、実は保険診療には様々な制約があります。対応可能な処置、治療方法、材料などが細かく定められております。例えば「詰め物」などにおいても安価で安定した材料を使用するよう定められています。しかし、口中に装着するということを考えるとより安全な材質、使って違和感のない精度の高いものが必要だと思います。

 その条件を満たすには、保険で可能な範囲を超える価格の材料と、技工士の高い技術力が必要です。当院は、できる限りの高品質な材料と技工士の方々のご協力のもと丁寧な治療を続けてまいりましたが、保険治療のみでの対応では困難な状態になっているのも現状です。

 このようなジレンマの中、どうすれば本来やるべき歯科治療ができるのかを模索してまいりました結果、数年前より「原点回帰”をテーマに、本来あるべき歯科治療をポリシーとした診療体制を始めました。

 治療は本来、主訴(患者の訴える症状) → 原因 (痛みなどの要因となるもの)情報収集(原因をもとに正しい診査、診断を行う) →結果 (正確な検査・診断をもとに行い症状を解決する最適な治療を行う) という流れで行われます。 実際はそこに患者さんのライフスタイルによる「希望・要望」が加わってきます。 残念ながらこの全てを現在の保険診療で叶えることは不可能なのです。 ご要望に応じて保険診療と自費を使う自由診療を組み合わせて治療する「混合診療」もルール上許されていません。

 歯科医療においては、以前よりから医療費の増大、世界情勢などの様々な要因から治療に必要な原材料、医療機器の価格の高騰が続いており、保険診療のみで最善の治療を行うことが大変厳しくなっています。とはいえ皆様の健康な生活を担う立場としては、いい加減な治療を行うわけにはいきません。当院は現在も保険の範囲ででき得る限りの最善の努力を尽くし続けています。今まで流れ作業の様な治療を受けて来た方々で、じっくり治療を受けたい方に是非ご相談して頂けましたらと思います。

 一方、当院ではより安定的な状態を望む方に、ゆとりのある治療環境と最新の技術を用いた治療方法、また安全な材料や高い技術を駆使した精密技工物を選べる「自由診療」にも重きをおいています。

 現状としましては、開院当初からご通院いただいている方に加え、治療を受け当院の方針にご理解いただけた方のご家族や知人、またその方々からの紹介の方々が多く来院されています。もちろん紹介などが無い場合でもご希望がありましたら誠心誠意診療させていただきます。歯の治療方法は様々でひとつではありません。お悩みがありましたら是非ご相談いただけましたらと思います。

 よくこういったことを耳にします。歯医者に行くと「何時間も待たされた」「待合室がとても混んでいる」・・・。もちろん処置内容によっては予定より時間がかかるということもあります。そのため予約の時間を守れないこともあります。そのような状況は患者さんをお待たせするだけではなく、慌ただしく対応するドクター側にとっても偶発的な事象が起きないとも限りません。特に初診においては、症状の予測ができませんし、時間に合わせた適当な治療をするわけにもいきません。

 そのようなことから限られた時間では、多くの患者さんに完璧な治療を行うことはできないという結論に達してしまいました。もちろんご要望にお応え出来るよう最善を努めてまいりますが、どうしても時間が掛けられないという患者さんには安定するところで治療を一旦終了して予定が立てられる時に再度治療を開始するなどの対応をしていきたいと思います。
 私たちが考える本来の歯科治療はどうしても長い時間を必要とします。それは、ただ痛みを取り除くことや修復処置をすることが主目的ではないからです。主脈に対する原因を診査・診断し、それに照らしあわせた最善の処置をすることが必要だと考えるからです。さらに、日常生活の中でご自身が管理できるよう口腔内の状態を説明し十分な理解をしていただき、その状態をより安定持続できることを目指しております。

 昨今では、あらゆる疾患の原因が口腔内の状況や口腔内細菌に起因すると言われています。 当院が歯科治療にそこまでこだわる理由は、口腔内の安定こそが身体を整え、健康を維持できるという考えがあるからです。 "口"は全ての健康の源なのです。 私たちの”本来の歯科医療としての歯科治療”とは痛みを取り除くことではなく、身体の健康のために歯や口腔内領域を整えることだと考えています。

 治療方針についても、いろいな意見を聞きます。削る歯医者は×、削らない歯医者は〇。抜く歯医者は×、抜かない歯医者は〇。治療が早い歯医者は○、遅い歯医者は×。

 それは一概に決められることではありません。安定させるために削ることも抜くことも必要な場合がありますし、今後の健康を考慮した口腔内環境を整えるために時間がかかる場合もあります。中でも時間に関して言いますと、手術を伴うような処置、難しい処置、多くの虫歯や進行した歯周病など複合的な処置を要するものは、より長い時間と回数が必要となります。

 また、治療にはベストなタイミングがあります。 それを逃すことで結果的により長い治療や最善の結果が得られなくなる場合もあります。例えば、「インプラント治療」なら、今の骨の状態なら付加的処置なく手術ができたとしても、時間が経つことで脅吸収などが起き骨移植が必要となることもあります。「矯正治療」なら、幼児期であれば脅成長させながらの歯列不正を整えることができるので、非抜歯で行うことができるのに対し、ある程度年齢が進むと、歯列不正が悪化し虫歯や歯周病などのリスクも高くなってしまいます。 結果、最適なタイミングを逃すと難しく長い治療を強いられることとなってしまいます。

 当然ライフスタイルによる制約があると思いますが、その場合必然的に治療が難しくなります。しかし、放置をしてしまうと状況は悪化しますので、まずご相談いただき一緒に治療計画を立て処置を開始します。必要であれば当院以外のクリニックとの連携も可能です。様々な事情により続けての通院が困難になった場合は継続可能な方法をご提案させていただきます。

 クリニックの運営は、沢山の患者さんを診療させていただくことで成り立っています。しかし前述のような医療を取り巻く環境と当院の理念の両立は大変難しい状況となっています。そのため数年前から広告看板なども廃止し、ほとんどが紹介による患者さんとなっています。今後もできる限り多くの方々に正しい治療ができるよう創意工夫してまいります。

 私たちの考えが全て正しいものとは思っていません。 治療に対しては患者様側にもクリニック側にも様々な考え方があると思っています。そのような思いのもと、当院では患者さんが「最善の治療が選択できるように、悩んだ時は進まない」を提唱し、色々な選択肢の中からご自身に合った治療をお選びいただきたいと考えています。健康に関わる大切なことです。 当院のご提案以外にセカンド、サードオピニオンを受けられることもおすすめしております。

 歯の治療を通して皆様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上にお役に立てることを目標として努力してまいります。

国民皆保険制度について思うこと

 「誰でも、安価で、平等な、医療を受けられる」 は、はたして本当なのでしょうか。

 諸外国と比べ0~3割の安価患者負担金という仕組みのため、軽度の症状や一時的な体調不良などでもすぐに受診するという傾向があると思います。もちろん初期症状の段階での受診により重症化や症状の急変を防ぐことができることがあるのも事実です。しかし、あまりにも安易に受診される方も多くみられるように思います。さらに自由に病院を選べるために、安心感や利便性により大きな病院に通ったり、立地のよい病院に偏り、結果的に「何時間も待たされたが、診察時間は数分だった・・・」というようなことも生じています。

 今の保険制度では、病院経営のためには一人の医師がかなりの数の患者を診ることになるため、患者一人にかけられる時間が制限され、十分な説明や診療がままならず、やむなく質の低下が起き医療に対する不信感を招くことになっているかもしれません。特に大きな病院や集客が上手くできている病院はその傾向が強くなっていると思われます。保健医療を主としている医科はもちろん、 歯科医院においてもより多くの患者さんを診るために何かを省くしかありません。お一人にかけるべき時間がとれない、材質の劣る安価な材料を使用する、衛生士がやるべき仕事を助手がするなど本来あってはならないような事態になることもあろうかと思います。

 その理由は、あまりにも欧米諸国などに比べ歯科治療に対する診療報酬や評価が低いためです。そのために残念ながら数多くの患者を診るために回転率・稼働率を上げることに専念せざるを得ないクリニックが多くなっています。

 歯科治療の処置の良し悪しは患者さんには大変わかりにくいと思います。その治療の技術や質の高さは直接診ることができないのでより理解がしづらいと思います。良質な治療とは、正確な診査・診断と確実な段階を踏んだ処置があってこそです。そのためには歯科医師の知識と技術はもちろん様々な科との連携体制や口腔を安定させる治療結果に影響のある精密な技工士の技術が必要です。多くの時間も必要です。

 日本の保険制度は誰もが最低限の治療を受けることができる素晴らしい仕組みです。 でも、私たちが考える本来の治療をすることが難しいのも実情なのです。